寒暖を繰り返しながら、変わりゆく季節は、着実な歩みで進んでいた。ゆったりと流れる川は、降り注ぐ陽の光を浴びて、水面をキラキラと、輝かせながら、春を乗せ、運んでいた。清らかな流れに、腰かけた春は、岸辺に生きるものたちに、尊い命を与え、育み、過ぎ去って行く。川岸を彩って、明るく華やいだ、黄色の花を付けた菜の花が、微風に揺れて、流れ去って行く春に、手を振っていた。水辺近くでは、土筆の坊やたちが、大きく首を伸ばして、興味深く見送っていた。春の祝い酒を飲んだのか、ひときわ派手な色に染まった、顔を見せている、カタバミは、一番のお洒落、そして、なんと言っても、この川岸で、命を育んでいるものたちの中で、一番位の高いものは、金色の冠を被って、咲いている、『草の王』だろう。
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