シトシトと降る、やわらかな雨が、野山を濡らし、緑の世界が、さらに色を深める。雨に当たり、元気に育つ早苗は、水面から顔を出すほどに育った。灰色の空に押しつぶされそうになった竹林は、見上げるほどに伸びたタケノコが、つぶされまいと、しっかりと支えていた。林の中では、紙の原料となるコウゾが、イガグリの様な実を付けていた。やがて、熟すと、赤い野イチゴに似た実になる。線香花火が、勢いよく弾けたような形をして、咲いている、センニンソウ(仙人草)の純白な花が、雨にあたり、生き生きとしていた。冷たい冬の雨と違い、春雨は、濡れて歩いても、風情があって良い。『春雨じゃ、濡れて行こう』
スポンサーサイト
トラックバック
http://1228coffee.blog.fc2.com/tb.php/1242-7119c98b
| ホーム |