『乙宮の杉のかげ道ふみわけて落葉ひらふてこの日くらしつ』良寛の歌ですが、若い頃、この歌に出会った時には、その日暮らしの坊さん位にしか、思わなかったが、今にして思えば、生活を素直に表現した言葉は、これ以上言い換える言葉も見つけられないほど、完璧な表現だと納得できた。今の自分の立場や環境を考えた時、素直に受け入れることが出来た。自然と共に生きている人間は、素直に喜怒哀楽を、誇張することなく表現できるようだ。まだまだ修行が足らない、自分を恥じた。青く深い大空に浮かぶ雲、長く伸びた丘陵に茂る木々、木の枝と別れを告げ、はらはらと舞い散る落ち葉の、ひとひら、ひとひらの物語る、今日までのナラティブを、耳を澄まして聞いてあげたい。せめて、短い一生を、赤や黄色のあでやかな衣装を身に纏い、深い眠りに着くまでは、命の限りを尽くしたい。そんな声が、聞こえてきたように思えた。
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