九月も末になると、一雨ごとに温度が下がり始める。雨で光る農道を歩いて行く。雨粒の重たさに、首をひしゃげてしまった彼岸花が哀れに映る。林の中の道に入り、時々、風にあおられ、木立から雨垂れが、バラバラと傘を叩く音にびくっとさせられる。草むらから、秋の虫の鳴き声が、間断なく聞こえてくる。足音を忍ばせて、鳴き声の近くで足を止めると、気配を感じるのか、鳴き声も消える。ジッとして、しばらく立ち止まっていると、立ち去ったと感じたのか、再び、鳴き始めるのだった。雨の日は、蝶は飛ばないが、蛾たちは、活発に飛び交っていた。黄金バットの出で立ちに似た『キバラエダシャク』が、濡れたアザミの葉の上に止まっていた。カメラを近づけると、気だるそうに羽を広げ、ポーズをとるようにじっとしていた。また、『シロヒトリ蛾』のメスが、木の葉に卵を産み付けていた。そして、相撲の行司が着ている、衣装の柄に似た翅を持った、『ウスキオエダシャク蛾』も、見つかった。写真は、キバラエダシャク蛾です。
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