ブワッと、鼻息荒く吐いたと思ったら、今度は、ハアと消え入るようなため息を一つした大地は、大きく深呼吸をして、勢い良く息を吐いた。大地の発した息は、そのまま霧となり、空と言わず、丘陵も、森も、林も、畑も、川も、民家も、すべてのものを覆い隠して、網膜に映る景色のすべてを奪い取って行った。大地は、絶望のあまり、声も上げられず、悲しみの底から、怒り心頭に達した燃え滾る感情を、腹の底から吐き出したのだった。何をそんなに怒っているのだ。大地は、堪えていた感情を、じわりと滲みださせるように吐露した言葉は、悲しみに満ちたものだった。私の体が壊されていく、長い年月を一緒に過ごして来た木々は、開発と言う名のもとに、無残にも切り倒され、今やソーラーパネルの森と化し、そこに平和な世界を築き、生息していた動植物は、住処を奪われ、やがて、姿を消してしまい、無味乾燥な世界だけが残ってしまった。あらゆるものを育ててきた大地は、嘆き悲しんでいた。
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