鏡のような水面に、その姿を映して、じっと佇む白鷺を見つけた。カメラを通して白鷺の様子を窺っていたが、5分経過しても、微動だにしない。獲物を狙っているのだろうが、いったいどうしたのだと思った瞬間、目にも留まらぬほどの速さで、水面に嘴を突っ込んで、何かを捕まえて、首を上に逸らすと、吞み込んだ。一発勝負の朝飯に掛ける緊張感は、まさに真剣勝負だった。ジッとしているのは、白鷺ばかりではなかった。桜の木の枝の先端に止まった『ムギワラトンボ』初秋の柔らかな日差しを浴び、翅を全開にして止まっていた。風が渡ってくるたび、翅を震わせていたが、飛び立とうとしない。獲物を狙っている様子もない。まるで、秋の日射しと涼風を満喫しているようだった。鳥や昆虫と、言葉を交わすことが出来たなら、どんなに楽しい事だろうなどと想像している私も、しばしジッと佇んでいた。
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