曇り空に、滲むように明るくなった部分から、太陽の姿が写ったかと思った間もなく、意地悪く雲はその姿を隠してしまった。姿を消した太陽を追うように、今年の3月に閉鎖された、パークゴルフ場に足を踏み入れた。休日は、ローンゴルフを楽しむ人の声で、賑やかに、華やいでいた。そして、時々は、関東大会なども開催されて、各県の市町村からやって来た、プレイヤーたちの歓声なども聞こえた場所だったが、今は、広大なゴルフ場に人影も無く、荒れ放題の芝は、足首が埋まるほど伸びてしまっていた。内容は違うのだが、ふと、松尾芭蕉が、奥州平泉で詠んだ『夏草や、兵どもが、夢の跡』の句を思い出して、辺りの風景を、ゆっくりと見まわしながら行くと、突然、歩いて行く先の芝の中から、『ムクドリ』の群れが、バタバタと羽音を立てて飛び立ったので、思わず足を止めた。まだ、心臓が、早鐘を打っていた。願わくば、この跡地に、自然を壊すような施設が、出来ない事を祈った。
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