鉛色の厚い雲の間から、滲むような陽光が射して光る、洋々、漠々とした天上海を、宇宙戦艦のような雲が、丘陵の頂を、音も立てず、不気味に通り過ぎる。黒い影を落とす丘陵の中に潜むものたちは、息を潜めて、その様子を眺めているようだった。何処へ向かってゆくのだろう、姿を崩すことなく、過ぎ去って行った。黄色い頭花に朝露を宿した、亜米利加栴檀草(アメリカセンダングサ)が、道端に咲いていた。この草は、北アメリカ原産の帰化植物なので、アメリカの名が付いていた。ルコウソウの一種で、葉が丸いので、丸葉縷紅『マルバルコウソウ』と呼ばれている蔓草が、赤い可愛い花を沢山付けて、農家の垣根の一部を席巻していた。どうやら今日は、肌寒い、曇りの一日の天気になりそうだった。
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