春紫苑(ハルジオン)や、野芥子(ノゲシ)、虎杖(イタドリ)などが生えている丘の上に立ち、目の前の景色を眺めると、五月の終わりに相応しい五月晴れの朝が広がっていた。こんな幸せの時があったかと思うほど、目に優しい緑の世界と、肺を満たす爽やかな空気で、思わずマスクを外し、大きく腕を伸ばして、深呼吸をした。そして、のどかに耳に届く、ウグイスや、ヨシキリ、キジそして、時々聞こえて来るホトトギスなど、鳥たちの歌声と、カエルの合唱が、心地良かった。水面からやっと顔を出していた早苗は、すくすくと成長し、いまは行儀よく整列した姿を見せて、辺りの景色を映していた、キラキラと光った鏡の水面を、塞ぐように埋め尽くしていた。目の前をサッと横切って行ったツバメが、田の水面スレスレに滑るように飛び去って行った。山法師の白い花が、枝を埋め尽くすように、顔を寄せて咲いている一角で、オレンジ色をした柘榴(ザクロ)の花が咲いていた。
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