卵の黄身を落としたような太陽が顔を出した。よちよち歩きの赤子が一歩ずつ歩むような速さで朝がやって来た。何故、今朝に限ってパッと朝が飛び出さなかったのか。それは、明るさだった。いつもの朝だと、日の出と共にすぐに明るい世界が目の前に広がったものだが、それが、ボヤっと薄暗い朝だったからだ。今の世の中の風潮のように、あっちを見ても、こっちを見ても、コロナ、コロナばかりのニュースと話題で、暗く沈んだ今を感じさせる気がした。いつもだったら、満員電車に揺られ、駅から勢い良く吐き出されていくサラリーマン、学生の賑やかな明るい声が交わされる雑踏の中に、活力ある朝があった。そんな世界からほど遠くなっている現在だった。テレビのニュースから感じる都会の様子は変貌していた。人は疎らで、皆マスクを掛け、話す事も控え、何処も、此処も、ダメダメの制約のある中で、人の生活リズムは鈍く動いていた。明るい朝、活気ある朝、安心できる世の中は、何時やって来るのだろうか。
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