日の出前、やや明るくなった中を、高崎川に架かる橋までやって来た。橋の手すりに霜が降り、結晶は白カビが生えた様に見えた。川を挟んだ両岸も霜に被われ、白い堤になっていた。橋上に立ち、東方を眺めると、大空をオレンジ色に染め、夜明けの儀式が始まっていた。黒く影を落とした丘陵の舞台に登場してきたのは、天照大神『アマテラスオオミカミ』と古代から崇められてきた太陽の存在であった。日本神話に出て来る『神』であって、そもそも神と言うのは、自然現象に対する信仰と畏怖の対象とされたもので、まさにそれを一番感じる時は、一日の始まりである『日の出』であって、神が姿を現す神聖な時であろう。だから誰しもが、日の出を眺める時、太陽に対する畏敬の念と、自然に生かされている事を考える前に、身体が勝手に認識することによって思わず手を合せてしまうのだった。陽が昇り、新たな一日の始まりを迎えた世界は、青空が広がり、暖かな陽射しの射す景色だった。
スポンサーサイト
トラックバック
http://1228coffee.blog.fc2.com/tb.php/2596-a7c748ac
| ホーム |