どんより曇った空に、カラスが群れ飛び騒ぎ立てていた。何事が起ったのかわからなかったが、数えられるだけでも、20羽ほど確認出来た。シャッターを切ったが、どれも数匹しか写っていなかった。丘陵に沿って、細く長く延び、凍てついた道を行く。行く先に人影は無く、朝霧に霞んでいた。不思議なことに、近づくにつれて、靄っていた場所まで来ると、何もなく、又その先が靄っているのだった。行けども、行けども、状況は変わらず、煙に巻かれたように、その正体はなかった。戻り道は、田圃の真ん中を走る、側溝に沿って歩いてきて、振り返ると、今来た道の先が、朝霧で靄っていた。正体があるのに、その正体に、実感が掴めないものもある。まるで人の心変わりのようで、掴みにくいものだ。
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