早朝から冷たい北風が、強く吹いていたが、風よけになった場所で、燦々と降り注ぐ、日差しを浴びた、菜の花畑の、黄色の花が、青空の下で、照り映える。風よけに植えられた、杉やケヤキ、松、などの防風林が、農家を飲み込むように囲む場所まで続く、細道を辿って行くと、板塀から、しだれ梅が覗き、かすかな、甘い香りを放っていた。空に浮かぶ雲が、天上から、地上に向かって、長く延び、林のてっぺんまで降りて来ていた。雄大な空を、首が疲れるほど、眺めていた視線を、地上に戻すと、陽だまりの草の上では、コガネムシが、春の季節に目覚めた、生殖本能のまま、交尾に夢中で、私の存在など、意に介していなかった。
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