寒さが和らぐと、陽射しは春めいて、なんとなく、足取りさえ、軽やかに感じる。川岸を歩いていると、流れまで、寒さに張り詰めていた気持ちが緩み、ゆったりと流れているように見える。煌めく水面は、光りの子供たちの登場する舞台、春の到来に、歓声を上げ、瀬音のリズムに乗って、はしゃぎまくっていた。残念ながら、そのドラマ(劇)を、眺める観客が、私と、網代木だけでは、勿体ない思いがする。〝春の小川は、サラサラ行くよ〟と口元から、そんなハミングが出てしまうほど、恰好な風景の中を上流に向かって歩いて行くと、藪ツバキの赤い花が一輪、艶やかな姿で迎えてくれた。ほかの花は、すでに満開の時期を過ぎていて、茶色に枯れ、黒ずみ、根方に沢山の花が、無残にも散り、落ちていた。
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