曇り空に、濁ってしまった世界だったが、気持を、なごませてくれるように、あちこち姿を現した、春姫と、もてはやされる桜の花が、春の息吹に誘われて咲き始めた。白、薄桃色、ウグイス色、ピンク、良く観察すると、染井吉野、小彼岸桜、白雪、寒緋桜、大島桜など、競い合うように、その存在を主張し始めた。山肌に沿うように、立ち並ぶ古木は、枝先までびっしりと、花を付け、私を誘うように、時々吹く風にあわせて、手招きをしていた。根元に、水仙が咲き乱れ、山肌を彩っていた。野山を飾る花々に、浮かれながら鳴く、ウグイスの爽やかな声が、林の中に響き渡る、春爛漫な世界の中を、足取りも軽く、山道を下って行くと、花見にやって来たのだろう、若い家族づれに出会った。
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