早朝、まだ、丘陵の山襞は黒く、長く延びた形だけを見せていた。東の空は、すでに明るくなっていたが、雲が薄くかかり、太陽は、顔を出しにくいのだろう、姿を見せていなかった。徐々に朝の光が、地上に広がるにつれて、辺りは、色彩を帯び、花々は、時に遅れてはいけないと、開花を始めた。稲の間から、顔を出し、白い花を咲かせている、オモダカ、薄いピンクの頬紅を付けた、花を咲かせているミゾソバ、瑞々しい黄色い、花を咲かせているクサノオウなど、生き生きと、季節を楽しんでいた。勢い良く、空気を断ち切る様に、低空飛行を繰り返して飛ぶ、元気もののツバメは、わが身に触れんばかりに接近してくる。まるで、私が遊ばれている様だった。自然は、花や鳥の命まで、左右する力を持って、季節を作り上げていた。
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