寺院境内の公園の中、緑の木立に囲まれた池に佇む、浮御堂が見える。静かな水面は、その姿を映し、上下対象の堂を作り出していた。突然、目の前に、黒い大きな鳥が現れ、浮御堂の正面にある、池に突き出た、岩の上に止まった。鳥は、鵜だった。岩の上に止まると、すぐに羽を広げ、バタバタさせると、そのまま、横着そうに、羽を乾かすような、ポーズを取ったまま、じっと固まったままの姿になった。ここは、自然をそのまま生かした、人工(ジンコウ)の公園であるが、長年にわたる年月の中で、すっかり自然に溶け込んで、人工臭さは、少しも感じられなかった。しかも、鵜が、棲みついている事を考えても、動物も自然を認めている証拠だろう。木立の葉末を、かいくぐって差し込んでくる、朝の陽射しは、木の葉を明るく灯し、森の中に電灯を点けた様に、あたりを照らしていた。夕刻と思ったのか、朝にもかかわらず、カナカナカナと、ヒグラシが、鳴いていた。
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